トレンドマイクロ社では、ほとんどの仕事がクロスファンクションで行われていますが、
中には、メンバー全員が腹落ちしないまま進行するプロジェクトもあったようです。
「じゃあまずビジョンを決めよう」と、ビジョン形成に視覚会議®が導入された事例です。
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組織横断型のチームを結びつける合意形成
トレンドマイクロ株式会社 ソリューション事業本部 新井 源杓様
情報量や変化スピードの増大、そして発生し得る問題の複雑化に対応するため、組織横断型でチームを結成する “クロスファンクション” のアプローチを導入する企業が増えています。トレンドマイクロ社では、このたび組織横断型のチームが合意形成や課題の切り出しを行うための手段として視覚会議®を導入しました。
仕事はほぼクロスファンクション
ここ数年、トレンドマイクロ社ではクロスファンクションではないプロジェクトは無いくらいだといいます。「トレンドマイクロの仕事の進め方は、組織で動くと言うよりは “人 ”単位で進められることが多く、人気のある人には仕事が集中したりもしますし、出会ったばかりのメンバー同士が時間のない中でプロジェクトを始める機会が多いんです。」
このように多くのプロジェクトがクロスファンクションで進行しているトレンドマイクロ社ですが、メンバーが腹落ちする時間がないままプロジェクトに参加し、モチベーション維持に苦慮しているプロジェクトもあったようです。やりたかったことはこれだ!
最近新井さんが視覚会議®フェーズ1(合意形成のためのフェーズ)でサポートしたプロジェクトは、新井さんの部下がリーダーを務めていたチームでした。しかし、結成から半年たっても全員が納得してプロジェクトに参加できている状態ではなく “このプロジェクトで自分たちが成し遂げたいことは何か? ”について全員が腹落ちしないままプロジェクトが動いていることを感じていました。また、複数のプロジェクトを抱えているプロジェクトメンバーたちのモチベーション維持についても、新井さんの部下は大いに悩んでいたそうです。「じゃあまずビジョンを決めようということで、僕の部下、プロジェクトメンバー、そしてプロジェクトメンバーの上司も集めて、 “お客さんにどんな価値を提供できたらこのプロジェクトは成功か? ”とみんなで考えたんです。その結果、 “あ、そうだよ、これがやりたかったんだ ”となるビジョンが見えてきた。 “やっと腹落ちしましたね ”と。お客さまの期待に応えたい気持ちはみんな一緒。また、マネージャー間でもビジョン共有できたことで、メンバー全員が集中してプロジェクトに取り組める環境を創ることができました。」
次世代リーダー育成のためにも
トレンドマイクロにはFLD(Future Leader Development)と呼ばれる次世代リーダー育成プログラムがあります。マネジメントやリーダーの中から選ばれたメンバーが年間を通して参加するプログラムなのですが、このFLDプログラムでも “新しいビジネスをクロスファンクションで創りあげる ”という企画があるそうです。「2012年の参加メンバーから今のビジネスの延長線上にある新しいことを考えてはいるのだがまとめるために視覚会議®を利用させてほしい。という相談があり、視覚会議®でのサポートを行いました。」マネージャークラスは一般社員よりもおかれている様々な環境をふまえていろいろ考えてしまうので、シンプルにアウトプットすることの苦労もありましたが、終わった時にはそれまで企画してきた様々なアイデアを系統だてて整理することができ、納得感のある文言に集約することができました。
進化するクロスファンクション
トレンドマイクロ社に視覚会議®が導入されたきっかけは2012年度のTechnical University(TU)というイベントでした。トレンドマイクロ社のクロスファンクションを象徴するイベントで視覚会議®を試した結果、 “ファシリテーター ”という役割も徐々にエンジニアの中で認知され、今後はより積極的に視覚会議®をクロスファンクションに活用していきたいと考えています。「真面目に考えているだけではありきたりのものしかできないし、様々なメソッドを掛けあわせてもニーズのない妙なアイデアが出来てしまう。自分たちのコアが何かわかった上で、革新的な新サービスを立案したいと考えています。」トレンドマイクロ社のクロスファンクションが、視覚会議®の導入でどのように進化していくのか、今後が楽しみです。
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