「事業計画でもっとも難しいのはネタ探しだ」と認識する大検工業株式会社の新規開発営業部門が、
ロジックだけではどうにもならないこの「ネタ探し」の手法を9人の部員全員で共有するべく、
部員1名をファシリテーターとして養成し、導入コンサルテーションと併用した事例です。
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来たる70周年に向けて、会社の柱になる新規事業を創る
大建工業株式会社 新規開発営業部 下谷 嘉誉様 / 村西 重厚様
建材の枠から離れて発想する新規事業
大建工業株式会社の新規開発営業部では、2011年11月から3月にかけて、視覚会議®を使った新規事業開発プロジェクトを実施しました。プロジェクトの前半はラーニングプロセスの認定ファシリテーターが会議を運営し、後半は視覚会議®ファシリテーター養成コースを受講したメンバーがファシリテーターを務めました。新規開発営業部のリーダーである下谷嘉誉さんと、養成コースを受講したメンバーである村西重厚さんに、視覚会議®の特長や今後の活用法についてお話を伺いました。
狐につままれたような感じさえした
はじめて視覚会議®を体験した時の印象についてお二人にお聞きしました。「合意形成というアウトプットが得られるまでの時間の短さに驚きました。狐につままれたような感じさえした。しかし、過去に経験したブレインストーミングなどとは明らかに違っていたし、時間=コストと考えた場合に非常にコストパフォーマンスの高い会議術だなと感じました。」と下谷さん。一方、村西さんは「正直言って、1回目は“こんなものかな?”という印象でした。でも時間が経つにつれ、初回で得られた共有感が薄まらないのがすごいと感じるようになりました。通常、人は時間が経つと初心を忘れてしまいます。でも最初にビジョンについて合意しておけばそれを軸にして初心に戻ることができます。」と話して下さいました。
メンバー全員を巻き込める斬新な方法
「創部して良かったと言われるように、会社の柱になる事業を生み出すのがこの部のミッション」と語る下谷さんは、入社以来20年以上も新規開発に携わってきたベテラン。「新規開発で一番難しいのはネタ出しです。我が部のメンバーはさまざまなバックグラウンドを持ち、中にはネタ出しの方法をまだつかめていない者もいます。だから、私は何か斬新な方法でメンバー全員を巻き込み、彼らにネタ出しの方法を身に付けて欲しかった。そのニーズに合致していたのが視覚会議®です。」
アイデア出しのしきい値が下がるのも利点
視覚会議®の具体的な利点についてもお二人にお聞きしました。「普通、10人の社員を会議に招集すれば、モチベーションの上がらないメンバーも出てきます。今回のプロジェクトではそれがなかった。新規事業のネタを出すための会議だったことと合わせて、視覚会議®自体の楽しさでそうなったのでしょうね。」と下谷さん。「これまでは『俺がネタを出さなければ』という気負いがありましたが、メンバーがみんな意外と面白い発想をするので、負担が減ったように感じます。」一方、プロジェクトの後半はファシリテーターを務めた村西さんは「ファシリテーターとしてはとても楽で、ノウハウさえつかめば誰でも自立できるシステムだと感じています。参加者としては、アイデアを出す際のしきい値が低く、発言をファシリテーターが再録してくれるのでしきい値はさらに下がります。あるプロジェクトで新人の女性社員がメンバーにいたのですが、彼女もプレッシャーを感じずどんどん意見を出していました。」と話してくれました。
メンバーが自発的に動き出す会議
今後の視覚会議®の活用法に関して、下谷さんは「実際の事業計画にはフィールドワークなどのロジカルな活動も必要になってきます。ただ、視覚会議®で計画の前段階としてのネタ出しができれば、その後の行動の方向性が絞れるので時間短縮になります。また、計画の種をトップダウンではなく全員で探しているので、メンバーも自発的に動くようになるでしょうね」とお考えです。そして村西さんは「視覚会議®は合意形成の場として非常に優れています。だから、達成できることを前提に作成されている営業目標などについても、営業部全員で合意しておくことで結果の出方が変わってくるのではないかと思っています。」というご意見をお持ちでした。お二人とも、既に具体的に視覚会議®の活用法を思い描いているようです。
今回のプロジェクトで得られた「週1回程度のペースで凝縮して進めたほうが良い」等の反省点も活かしつつ、今後は社内標準のアイデア出し手法として、他の部署にも視覚会議®を横展開していきたいとのこと。大建工業新規開発営業部の「会社の柱になる事業を生み出す」というミッション遂行にも、視覚会議®は貢献しています。
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